『カイハラデニム』を世界に知らしめた貝原良治さん



夢の扉プラス 今回は、世界最高峰のデニム生地生産会社・カイハラ(株)会長の貝原良治さんを取り上げています。


日本人のはいているジーンズのうち2本に1本が福山市のカイハラで作られているもので、

シャネル、EDWINなどアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアの20数ヶ国に輸出し、海外輸出量トップを誇る名実共に世界的デニムメーカのカイハラ、

今や『世界が貝原のデニムを求めている』というまでの存在になっています。



カイハラでは、車一台が通るのがやっとの山道を超えた先にある大きな工場に織り機400台を稼働させて一からデニムを作っていて、紡績・染・織り・仕上げの全てを日本人が行なっています。

そしてその工場で、貝原さん言うところの『メイドインジャパン・バイジャパニーズ』のデニム作りを行なっています。



カイハラの一番のこだわりは『藍』(インディゴ)に集約されるといっても過言ではありません。カイハラデニムが世界で愛されている背景にはその『藍』(インディゴ)があります。


カイハラでは備後絣の藍染めを行なっていて、幾度も繰り返される『染め』を経て生まれる『味わい深く力強い藍色』がカイハラの最大の魅力です。

そして芯白といって糸の周りだけを染めて中心は白いまま残す技術にも長けています。この技術があればこそ、着ているうちにあえて色落ちさせることが出来るのです。



ちなみに、ウオッシュ加工やダメージ加工を日本で最初に始めたのはカイハラで、又、男女兼用だったジーンズの世界にファッションとしての女性用ジーンズを定着させたのもカイハラです。



2012年3月12日、第42回 繊研合繊賞授賞式が行われ、カイハラはマーケティング賞を受賞しました。

Moist BREATHE Denim(呼吸するデニム)やMOTION FIT DENIM(新着感デニム)などの一連の合繊デニムの開発と販売が受賞につながったようですが、年間1000種類ものデニムを開発しているカイハラだからこその受賞です。



そして貝原氏は繊維業界の活性化の為、銀座の街でデニムの路上ファッションショーを開催し大成功を納めました。

銀座で行われたデニムの路上ファッションショーには、織田ファッション専門学校生が自分で作ったデニム製の服を着て参加しましたが、貝原さんはこれらの学生に数年前から無料でデニム生地の提供も行なっています。


日本発のジーンズ文化を世界に広めるため、貝原氏は今後も活発に活動を続けることでしょう。






8デニールの糸から世界一薄いシルクの織物『妖精の羽』を完成させた斎藤栄太さん



夢の扉プラス、今回は、8デニールの糸から世界一薄いシルクの織物『妖精の羽』を完成させた、福島の織物メーカー『齋栄織物』の三代目・斎藤栄太さんを取り上げています。



斎栄さんの会社・『齋栄織物』のある福島県伊達郡川俣町は、以前は平安時代から始まった養蚕業・絹織物業により『絹の里』として知られ、

伝統産業『川俣シルク』で名を馳せた土地ですが、最近は化学繊維に押され絹産業も停滞気味になってきています。


かって『東洋一のシルク』と言われた伝統の『川俣シルク』を残すために、織物工場の三代目を継いだ斎藤栄太さん、今世界一薄く軽いシルクを誕生させることに邁進しています。



世界一薄いシルクは流通する絹糸の中で最も細いものを使い、先染めしたもので織られます。


絹糸やナイロンなどの長繊維の糸の太さを表わす単位をデニール(D)と言い、1デニールは長さ9000mで1gの 糸ということになります。


世界一薄いシルク開発、まずは14デニール(長さ9000メートルで14g)の糸を使い完成させ、出来上がった作品と従来のシルク製品とを持ち、伊・ミラノで行われたJETROの『ジャパンテキスタイル商談会』に挑みました。


ジャパンテキスタイル商談会では、『ジョルジオ・アルマーニ』のバイヤーと商談が成立し発注が決まりましたが、

『ジョルジオ・アルマーニ』のバイヤーが気に入ったものは、14デニールの糸から作ったものではなく従来の絹織物でした。

14デニールの糸から作った自信作のサンプルの発注は『ジャパンテキスタイル商談会』の期間中2件だけにとどまりました。



14デニールの糸で興味を惹かれないならより薄く軽いものということで、斎藤さん、次は8デニールの糸に挑戦します。


3デニールが蚕の吐く1本の糸ですので、8デニールの糸は『究極の細さの糸』と言っても過言ではありません。



8デニールの糸からシルク製品を生み出すには、糸屋さんと染屋さんの絶対的な協力が必要になります。

まず8デニールの糸作り。細くて切れやすい絹糸の強度を増すために『撚糸』を行います。『撚糸』とは糸に撚り(より)をかけることで、これは、糸を丈夫にするには欠かせないものです。


次に先染め、繊細な細さの絹糸のため従来の温度で染めると絹が溶けてしまう恐れがありますので、温度を少し低めにして染めていきます。全て職人の勘頼りです。


撚糸職人と染め職人の技が集結して出来上がった8デニールの織り糸を、

斎藤さんが糸に関して神様のように尊敬している『齋栄織物』の織り職人(地元のお母さんたち)が、切れずに織り上がるように創意工夫をして織り上げていきます。



完成した世界一薄いシルクの織物『妖精の羽』を携え、は、斎藤さんは、フランス・パリやイタリア・ミラノを訪れます。


欧州各国の王室関係のウエディングドレスを手掛けたデザイナー『カトリーヌ ピジュエ』さんなどにこの『妖精の羽』を見せ、大絶賛を受けました。


そして、アルマーニのバイヤーも『妖精の羽』に大いに興味を持ち、今回はサンプル生地の発注をしました。斎藤さんの完全勝利です。



日本でも先日、都内で行われた 桂 由美さんのウエディングドレスのショーで、『妖精の羽』で作られたウエディングドレスが披露され、その薄さ・軽さ・柔らかさに観客が驚きの声をあげていました。



『ものづくり日本大賞』の内閣総理大臣賞を受賞した『齋栄織物』の世界一薄いシルク開発。

今、「また新しいことに挑戦したい」と語る斎藤さんですが、次はどんな絹織物を見せてくれるのでしょうか。


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