発光ダイオード LEDを利用し、サンマ漁船用LED漁灯やイカ釣り漁船用LED漁灯で、漁業に革命を起こすべく奮闘している、稲田博史さん。

夢の扉〜NEXT DOOR〜 今回は、発光ダイオード LEDを利用し、サンマ漁船用LED漁灯やイカ釣り漁船用LED漁灯で、漁業に革命を起こすべく奮闘している、東京海洋大学の准教授である稲田博史さんのドキュメンタリーです。


東京海洋大学で稲田博史さんが研究しているのが、『いかに効率良く漁を行い漁獲高を上げるか』ということです。

漁獲高を上げるために、漁で使う網の開発や改良などを行っていますが、今一番力を入れているのが『発光ダイオード LEDを利用した漁業』です。

昔から行われてきた漁法の『漁火漁』、これは、集魚灯に魚を集めて、効率よく獲る漁法ですが、この漁法は今でもサンマやイカの漁に用いられています。


たとえば、秋刀魚漁ですと、サンマが光に集まる習性を利用し、集魚灯という灯りをともしサンマを集めます。この際、餌は一切使わずに、光のみで集めるのです。

集魚灯は船体の右半分と左半分の二箇所に設置してあり、船に大量のサンマが集まったら、片方だけ(たとえば右側)を消します、するとさんまはもう一方(左側)に移動します。

サンマが左側に集中したらすぐに右側に網をかけ、その右側の網に左側のサンマを誘い込むように一つづつ光をつけていき捕まえます。

光のみでサンマを集め、光の誘導で網に誘い込む。サンマ漁は光こそ命と言っても過言ではない漁です。


さて、そんなサンマ漁ですが、問題があります。

サンマ漁の命の集魚灯、『一隻の船の集魚灯の明るさは東京ドームの明るさに匹敵する』と言われるほどですが、実はこの集魚灯、今は白熱灯を使っていまるため、その明るさを維持するには大量の重油を使います。

一晩に200リットル。金額にして12万円分も使うようです。サンマ漁の期間の4ヶ月で700万円分の重油が消費されるんですね。

今は重油の価格が安定していますが、重油が高騰したときには操業停止になったこともあり、重油頼みの秋刀魚漁、『サンマは石油製品』と言われる所以です。


その集魚灯を白熱灯から発光ダイオードLED漁灯に変えようと努力しているのが、稲田博史さんです。

発光ダイオード LEDは、熱を光にする白熱灯と違い、素子そのものが光りを放つ電子部品で、今一番身近なのが信号機に使われているものですね。


LED灯は従来使われていた白熱灯と比較すると消費電力が20分の1と少なく、しかも漁獲量はこれまで変わらないという優れものです。


発光ダイオードLED漁灯を使えば、サンマの漁期全体で経費を約1000万円削減でき、加えて、LEDは玉切れの心配が無く、白熱電球の交換の為に掛かっていた500万円の経費もいりません。


漁獲量減少の心配がなく、経費の大幅削減が出来る発光ダイオードLED漁灯、漁師がこぞって導入するかと言えばそうでもありません。今現在、LED漁灯で操業している船は2隻にしかすぎないようです。


サンマ漁師が発光ダイオードLED漁灯を導入しない理由、その一は、『見た目が暗く不安』

675キロワットもの電力を使い自分の船はもちろん周りも360度ギンギンに照らす白熱灯に比べて、45キロワットで海面しか照らさないLED灯は、自分の船の周りが暗くなり、「本当にサンマが集まってくるのか?」という不安がある。


サンマ漁師が発光ダイオードLED漁灯を導入しない理由、その二は、『LED漁灯導入の初期費用が高い』

大型船の場合のLED漁灯導入の初期費用は約4000万円かかるそうで、値が安いサンマ漁ということもあり二の足を踏む漁師が多いようです。


稲田博史さん、今サンマ漁船用LED漁灯の更なる改善へ向けて努力しています。

LEDは、光の色を選べるという大きな特徴がありますが、稲田さん、今まで謎だったサンマが好む色を見つけました。

『サンマは青緑色を好む』、これは驚くべき新発見とされ青緑色のLEDを使った実験結果では、白熱灯使用時を上回る成果が出ています。


あとは、『LED漁灯導入の初期費用をどう下げるか?』という問題はありますが、世界的な白熱電球廃止の方向性もあり、今後はLED灯が主流になってくるのではないでしょうか。


 【夢の扉〜NEXT DOOR〜  2009年12月13日放送】
    『LEDを利用して日本の漁業を救いたい』
  ドリームメーカー/稲田博史  ナビゲーター/袴田裕幸

       【稲田博史さんのマイゴール】
『環境と経済に調和する漁業技術を開発し日本の漁業を次代に繋ぎたい 』
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